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Service #1

置物の素地づくり

絵付け前の白い素地の制作

九谷焼は完成までに大きく3つの工程があります。
1. 粘土製造
2. 素地づくり
3. 上絵付け

 

この工程を経て九谷焼が完成し、その素地づくりの工程を宮創が行なっています。

成形

粘土を置物や器の形にしていく工程。
成形の方法はさまざまあり、宮創では「おこし型」と「鋳込み型」を使い成形を行なっています。

「おこし型」を使った成形とは粘土を手作業で型に詰める成形方法。

パーツごとに型を作り、手で粘土をつめ、型から起こし、全てを組み合わせて一つの形にする方法で、パーツを接着させる時は細心の注意を払って付けなければ、焼成後にヒビや焼き切れを起こすことになります。中には20パーツ以上の型を組み合わせて一つに作り上げるものもあり、様々なパーツを組み合わせることで複雑なデザインに仕上がります。全ての工程が手作業のため、大量に作ることができないのも「おこし型」の特徴です。
当社には創業時の大正時代から昭和前期に作られた古い手起こし型が今も残り、その型を使うことで地元作家と美術工芸品を製作し、古くも新しい九谷焼を作り出すという試みも行なっています。

 

「鋳込み型」を使った成形とは複数の同じ型に液状の粘土を流し込む成形方法。

使用する粘土の水分割合を調節、解こう剤を少量入れることで泥しょう状態(液状の粘土)にし、その粘土を型の中に流し込めば、型の方に水分が゙吸われ、同時に粘土の粒子も型の壁面に吸着され、形が形成されます。これにより細かいデザインが可能で、またおこし型同様に複数のパーツを組み合わせるものもあり、キャラクター商品や現代的な需要に応えた多種多様な商品を生産することができます。
鋳込む時間によって肉厚が変わり、鋳込む時間が長ければ肉厚は厚くなり、製作したい物の形や大きさ、作業を行う時期、天候などによって粘土を流すスピードや時間が変わってきます。鋳込みは生産性を向上させるために、昭和以降に生み出された技法であり、一度に鋳込むことで大量生産が出来ることが特徴です。

乾燥・仕上げ

成形した生地を半乾きの状態で、パーツを組み合わせたり、外側を削り、縁仕上げなど型のつなぎ目を滑らかに整え、細かい仕上げを行います。仕上げた生地は形や大きさ、作業を行う時期、天候などによって乾燥させる時間が異なり、常温でゆっくり乾燥させたり、天日または乾燥機で乾燥させていきます。
乾燥させた生地はヤスリにかけ、さらに表面を滑らかに仕上げ、釉薬をかける前に傷などがないか最終チェックのきずみ作業をします。

素焼き

仕上げた生地をそのまま800~900度で焼いたものを「素焼き」と呼び、軽く焼き固めることで、強度が増し、後の作業が行いやすくなります。
焼成時間は、6~7時間で、最近ではガスや電気の窯で焼成します。

施釉

施釉(せゆう)とは、釉薬(高温で焼くとガラス質に変化し、生地を覆う膜となる液体)を乾燥した生地、または素焼きした生地にかける工程。
さっとくぐらせながら、均等に釉薬がかかるよう素早く作業をしていきます。釉薬をかけて焼くことで汚れを防ぎ、同時に小孔をふさぐことで耐水性が増し、生地の表面をなめらかにし、艶を与え、かつ堅牢にする効果もあります。

本窯焼き

素焼き同様、ガス窯や電気窯で行い、素焼きよりも高い温度、約1300度で焼き上げます。窯での焼成は職人の経験から細かな温度管理が行われ、焼成時間は約14時間で、焼成が終わり生地が冷めると窯出しをします。
本焼きを終えると、器は硬く焼き締まり、地肌は白く、釉薬は透明になりツヤが出ます。この状態のものを「白素地(しらきじ)」といい、素地づくりは完成します。

九谷焼で使用している粘土は石川県小松市の八幡にある『花坂原石山』から採れる陶石(花坂陶石)を原料に作られており、置物の素地のほとんどが八幡で作られています。この陶石なんと江戸時代後期に小松市花坂地区で発見され、それが今でも採石を続けられていて、江戸時代からずっと九谷焼を支えてくれています。陶石を粉砕し、さまざまな工程を経て、粘土が作られます。花坂陶石の特徴としては、比較的鉄分が多いため焼き上がった素地は、青みがかった味わい深い白に仕上がります。粘土屋さんの開発努力で、鋳込み成形に、より適した粘土も作られており、それぞれの成形方法にあった粘土づくりをされています。産地ごとに、その土地で採れた土を使うことが多く、土の色や粗さなどは様々。それぞれの土によって色味、質感によるやさしさや温かみ、力強さなど、幅広い表現を楽しめるのも魅力です。現在では、新しいスタイルを追求するつくり手も増えて、ますます多種多様な陶器を楽しめるよう素地の制作をしています。
九谷焼の置物は、明治時代には、西洋の技法を取り入れる事になり、型押しの技術を使用して作成されるようになりました。大正時代には石膏の型でも製品が作られるようになり、九谷焼の量産化の始まりです。宮創製陶所では素地づくりの高度な技術を持っております。大正・昭和の時代の技術の高い職人達によって作られた石膏型を、多く所有しており、また今でも原型の職人さんが石膏型をつくるためにその技術力を受け継ぎ、置物の原型を創作しています。
こうして宮創で作られた素地は絵付けの職人さんの元へ運ばれ、色鮮やかな九谷焼になります。
九谷焼は、各工程を丁寧にプロの技でやり遂げられ、どの工程も職人による作業が欠かせません。


宮創製陶所では、素地のご注文を一点から承りいたします。
販売については予約販売のみ受け付けております。
ご予約いただいてから製造焼成を行いますので、二ヶ月後の発送になります。 ご予約、お問い合わせは本サイト「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください。
※只今ギャラリーでの展示販売は行っておりません。

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